アホは神の望み 筑波大学名誉教授 村上和雄
サンマーク出版
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目次より
プロローグ アホが世界を変える
第一章 鈍いけれど深い生き方
第二章 陽気であきらめない心
第三章 愚か者こそ幸せ者
第四章 くさらない、おごらない、屈しない
第五章 アホは神の望み
バイオテクノロジーの世界的権威がたどり着いた究極の知恵
素直で正直、器の大きなアホであれ
ガラクタ遺伝子は、言いかえれば「アホ」
生命科学の遺伝子の専門家である著者が、なんで「アホ」な生き方を勧めるのか不思議でした。人の遺伝子を解析した教授がなぜなのと?
実は、遺伝子のDNA全体からみれば、10%程度しか働きがわかってなくて、あとの90%は、ほぼ、どんな働きもしていないと考えられているそうです。
DNAにはそんな「がらくたな部分」があって、実はそれが、大きな可能性らしい。
DNAのそんな「アホ」な部分こそが「人の潜在能力の源」らしいということのようでした。
アホな「笑いはパワー」、「笑いは薬」
アホな笑いは、「心を開放」します。笑いは、「力」です。
アホな笑いは、「副作用のない薬」免疫力はアップします。
アホな笑いは、「不安や緊張」をほぐします。
笑っている時に、怒る人いないですし、笑っている時に、緊張することは出来ません。笑ったあとは、あんまり悪いこと考えませんしね。
器の大きい、正直な「アホ」がいい
宮沢賢治の「雨二モ負ケズ」に出てくる愚で正直な「でくのぼう」のような人がいい。
フーテンの寅さんみたいな、愚かという「徳」をもった人がいい。
ウサギとカメの「カメ」のような人がいい。
アホは、利口な人が知性で考えるような「限界」を、あっさり超えてしまうところがあるので、すごいということみたいです。愚直な「アホ」って、ちょっとカッコイイかもしれませんね。
村上さん(著者)自身、研究室で毎日DNAサンプルの採取のため、栗の皮をむくように、豚の脳下垂体の皮むきをしていた。ここは中華料理の厨房にしか見えないと研究室のことを表現してます。サンプルが、少ししか取れないので大量に皮むきする必要があったそうです。愚直な作業ですよね。それで世界で一番早く遺伝子の解析をすることができたそうです。「アホ」は強しのようです。
夢中になったら、「限界」をあっさり超えられるのかもしれませんね。「夢中になったもん勝ち」みたい。
「アホ」でオッケー
アホな生き方だなあとか、何やってんだろうとか、無駄な時間を過ごしてるなあと感じても、きっと、「今は、それでいいんだよ。無駄には無駄の効用があるかもしれない」って、言ってくれている。そんな「ホッとするひと言」がたくさん感じられる一冊です。読了後、心が軽くなりました。ああ、ありがたい。